今回は大人気ギャンブル漫画「嘘喰い」の0円ギャンブルの解説をしていきます!廃ビル脱出勝負、セブンポーカー、ハングマンなどの勝負は理解できた方も多いと思いますが、0円ギャンブルで行われたラビリンス(迷宮)は少し難しい内容でした・・・。”嘘喰い”貘と雪井出薫との間で3回行われた0円ギャンブルの駆け引きを解説します。
※嘘喰い単行本8~10巻のネタバレを含みます。登場人物や賭朗などの説明は割愛します、既に読んだことある人向けの内容です。
概要
0円ギャンブルと呼ばれる由来は、雪井出が大金を賭けるのに対し、挑戦者はとある日の自分の思い出を賭けるだけでお金を失うリスクが無いからです。実際は負けたら賭けた思い出の日に起こった凶悪事件の濡れ衣を着せられてしまうのですが・・・。
勝敗を決めるのはラビリンス(迷宮)と呼ばれる、6×6のマス目があるメモ用紙の任意の場所に出入口のシールを貼り、二十本の壁を書き込み自分のラビリンスを作製、相手のラビリンスをいち早く脱出した方が勝利となるゲームです。相手が配置した壁を予想して入口から1マスずつ移動していき、壁にぶつかると相手のターンへ移ります。
雪井出は貘と対戦する前に彼の連れである梶と対戦しました。結果は後攻の雪井出が1ターン目で壁にぶつかることなくゴール、梶は2004年11月5日の思い出(アリバイ)を奪われその日に起こった凶悪事件の濡れ衣を着せられてしまいます。
雪井出の勝因(イカサマ)は彼のメモ用紙が油性ペンに反応して変色する紙であったことです。対戦相手に油性ペンで壁を書かせ、定期入れのような二つ折りのホルダーに相手の用紙と自分の何も書いていない用紙を入れてホルダーを閉じることにより、自分の用紙に相手のラビリンスが写し出されるといったイカサマです。
ラビリンス一戦目(貘:1998年11月23日の思い出 VS 雪井出:1億円)
貘はラビリンスを作る前に油性ペンとメモ用紙、ホルダーを見て何やら考え事をしていました。この時点で雪井出のイカサマを察していたのかもしれませんが、貘は下書きをしたいとシャーペンを要求、そのまま油性ペンを使わず提出したために雪井出のメモ用紙は何も写らず白紙のまま・・・。

二人のラビリンスを見て、立ち会いをしていた門倉もこの顔。
立会人から返却された何も写っていないメモ用紙を見て雪井出は困惑しますが、雪井出のターンの時に獏が自分のラビリンスに目を通していないため(相手のターンの時,普通なら自分のラビリンスを見て壁を確認するだろうという考え)、雪井出は貘も白紙で提出したと考えます。実際は下書きの壁が書かれているため先攻1ターン目の雪井出は壁にぶつかり、後攻の貘は1ターンでラビリンスを突破します(壁が無いので当然)。
ラビリンス二戦目(貘:2001年4月9日の思い出 VS 雪井出:100万円)
一戦目が終わり、二戦目のための賭ける思い出の日付を貘が指定した後、雪井出よりラビリンス勝負はあと2回と決められます。三戦目で貘が再び高額な日付を選ぶと見越した雪井出は、毎回ホルダーにメモ用紙を入れた後にホルダーを閉じるという不必要な行為を怪しまれないように二戦目はイカサマなしで勝負に挑みます。賭け金が100万と少ないこと、イカサマなしでも心理戦に自信があったこともその理由でしょうが、何よりも三戦目にイカサマを使って確実に勝利し罪を被せるために、イカサマがバレないようにすることが雪井出にとって重要でした。
一方、貘が賭けた思い出は屋形越えに敗れた日付でしたね。思い出の取り立てについて一戦目開始前に立会人門倉に言質をとっていた貘は全く勝つ気のない二戦目でした。結果は雪井出の勝利、命の取り立てを控えているのは雪井出となりました。それにしても立会人門倉の「嘘喰いは間違いなく負けるぞ」のミスリードは天才ですね。
ラビリンス三戦目(雪井出:10億円、梶の思い出、貘のアリバイ)
上記に加え、雪井出は屋形越えの日を賭けると言っています。結論から三戦目は貘が勝利するのですが命の取り立てを行われようとしたのは雪井出でした。勝者に屋形越えの日の思い出が渡る(残る)なら双方、特に雪井出が全力で勝ちに行くと考えにくいですから、屋形越えの日を賭けたというよりか敗者が命の取り立てを行われるという解釈で間違っていないでしょう。雪井出本人も三戦目の勝利を確信した際に屋形越えの思い出を返すと言っていました。ちなみに貘のアリバイとは二戦目に賭けた日付に起こった犯罪の容疑にかけられない、貘自身の無実を保障するアリバイのことです。
三戦目、なんとしてもイカサマを使って勝ちたい雪井出はシャーペンを破壊、さらに一戦目で貘がシャーペンで二枚分ラビリンスを作製していた可能性を鑑みてメモ用紙をホルダーに入れる際にわざと床に落とし両者の提出したラビリンスを無効にします。新しいラビリンスを貘が油性ペンで作製していることを確認し、雪井出は白紙でホルダーに入れてイカサマを実行します。三戦目の雪井出のラビリンスを見てみましょう。

左図が雪井出のラビリンス、これは貘のラビリンスを左右反転したものなので雪井出が攻略する貘のラビリンスは右図のようになります。先攻の雪井出は迷うこと無くB1まで進み、そこからB2に進むと宣言しましたが壁に阻まれてしまいます・・・。
実は油性ペンで書いた跡を消しゴムで擦ると雪井出のメモ用紙に写らなくなるのです。貘はシャーペンの消しゴムを使ってB1とB2の間の壁が転写されないようにしました。さらに、メモ用紙の裏面に書いた油性ペンの壁も転写されることを用いて、メモ用紙裏面のB2とC2の間の部分に油性ペンで線を引き、雪井出のメモ用紙に偽造の壁を転写させたのです。
ちなみに雪井出のイカサマは事前に相手のスタート・ゴール位置だけでなく、挑戦者がラビリンスをホルダーにどの向きで入れたかが分からないと成立しないのでは・・・?次回は嘘喰いラビリンス編「迷宮のミノタウロス」を解説します。

