嘘喰いラビリンス編「迷宮のミノタウロス」を解説!

漫画

前回に引き続き大人気ギャンブル漫画「嘘喰い」の迷宮のミノタウロスを解説していきます!

※嘘喰い単行本10~14巻のネタバレを含みます。登場人物や賭朗などの説明は割愛します、既に読んだことある人向けの内容です。

概要

0円ギャンブルを終えた後、貘は仲間のマルコと共に警視長の天真政一、密葬課の箕輪勢一とLファイルを賭けた賭郎勝負を警視庁地下の実物大ラビリンスで行うことになります。

4人は立会人門倉が作った迷宮を、壁(鍵の掛かった扉)にぶつかったら交代のターン制で進んでいきます。新規の扉を開けるたびにMポイントが加算され、そのポイントは迷宮内で誰かと鉢合わせた際に使用します。使用(提示)ポイントが高い方が30秒間(Mタイム)相手を蹂躙できる、すなわちこの迷宮のミノタウロスとなるのです。目隠しでのじゃんけんの結果、進む順番はマルコ→箕輪→貘→天真となりました(4人はこの順番を知りません)。

貘VS箕輪

スタート時に同室にいた天真との駆け引き、自身の迷宮の道筋から貘は4.5ターンで自分の現在地と迷宮の法則をおおよそ理解しました。そして貘がE5に入るとそこには敵の戦闘要員である箕輪が待ち構えていました。その時点での4人の状況は以下の通り、赤線が貘の道筋、青線が箕輪の道筋です。

マルコと天真の居場所は不明、貘は11ポイント、箕輪は15ポイントを所有していました。箕輪は自分のポイント消費をせず、残酷な脅しで貘に大量のポイント消費をさせようと試みますが、箕輪の1ポイントに対し貘は2ポイントの神業勝利をやってのけます。この遭遇は貘のターンなので貘はそのままMタイム後にE6に進み、敗者の箕輪は1ターン休みとなります。

ちなみに図の黒い曲線は貘、箕輪の両者がE5の次に必ず通る道筋です(貘が時計回り、箕輪が反時計回り)。貘がE6からF6、F5、E5と進むと再び箕輪に遭遇してしまいます。それを防ぐために図の黒曲線のどこかで待機しても箕輪の方からやって来てしまいます。これより、1ターンで同じ敵と二回以上遭遇した際にはMタイムに移行しないことがわかりますね(余談)。

箕輪VSマルコ

箕輪がE6で立ちションしているマルコと遭遇します。その時点での4人の状況は以下の通り、緑線がマルコの道筋、橙線が天真の道筋です。

箕輪は17ポイント、マルコは21ポイントを所有していました。箕輪は同じポイントを使って純粋に同等な勝負をしようと持ちかけます。マルコは10ポイント使うと宣言しましたが箕輪は裏切って11ポイント使用、Mタイムで箕輪に蹂躙されたマルコは深手を負ってしまいます。

一方、貘はF3に辿り着き自分のスタート地点が確定できます(ルール確認はF3で行われ、部屋のパイプなどの形状を覚えていた)。さらにF3に仕込んでおいた携帯電話により天真と箕輪が行っていたモールスでの会話の録音を聞き、天真が色聴である可能性に辿り着きます。

色聴を使ってプレイヤーの動向を伺っていた天真は、その能力を十分に発揮させるためにA6にいる必要がありました。C4まで進んだのは自分の迷宮をある程度絞り込むためと、マルコとの遭遇を避けるためだと考えられます。また、警視正南方の仕掛けた場所不明のトラップのことを知っていた天真はC4の先へは進まず自分の道筋を行ったり来たりしていました。

マルコVS箕輪

マルコとのMタイム後、箕輪はC5まで進みミスをしてストップしていました。先刻の勝負で6ポイントになった箕輪は5つの新規の扉を開けて11ポイント、一方11ポイントのマルコはE6からE5へ進んでいった箕輪の後を追いかけ、そのまま自分の道筋を逆走して11ポイントのままC5の箕輪と遭遇します。その時点での4人の状況は以下の通りです。

両者11ポイントを使用した純粋な勝負となります。箕輪の上スマまじで好き。結果、両者とも瀕死の状態になります。

一方、貘は迷宮の法則を暴き自分の正解ルートを2.3通りにまで絞ります。そのままC2まで進みますが、その部屋は南方が仕掛けたトラップルーム。なぜC2がトラップルームなのかは後述しますが、酸素の割合が非常に低くなったC2に進んだ貘を助けるために門倉が向かいますが、貘は倒れることなくそのままD3まで進み、別の扉から駆けつけてきた門倉とちょうど出会います。D3で両者が扉を開けたタイミングは偶然一致しており、この一致により天真の色聴を錯覚させられると考えた貘は、自分のターンが終了することと引き換えに門倉を利用してさらにC3、C2の扉を他の扉と同時に開くことで自分の足跡を煙に巻きます。

天真VS貘

迷宮の全貌を掴み勝利を確信した天真はようやくゴールへと動き出します。迷うこと無く迷宮を進みますが、D3まで来たところでトラップルームにより死んだと思っていた貘と遭遇します。その時点での4人の状況は以下の通りです。

30ポイント所有している天真は貘が何らかの偶然でトラップから生き残ったもののD3でミスをしてストップしたと考えます。その場合貘の所有ポイントは対箕輪戦での消費を考慮して最大でも28ポイントであると確信します。

さらに、次に自分が進む先のD4にマルコが潜んでいることに気づき、マルコとの勝負にも勝つために29ポイントを提示します。天真はマルコがC5での戦闘の後力なく1ポイントだけ稼いだと予想、自分は1ポイント残すことでD4を開けて2ポイントになり、マルコとの勝負に勝てると考えました。しかし、貘はC3、C2の扉を開いてからD3に戻っていたので実際のポイントは30。扉を同時に開くことによる色聴の錯覚により貘のポイントを誤った天真が敗北します。

次のターンのマルコはD4から歩を進めましたが再び逆走、B5でダウン。箕輪は貘のゴールへの道筋であるB4にいましたが、貘のモールスを天真の指示だと勘違いしC4に移動します。そして貘のターン、D3を後にしゴール(A5)手前のB5でマルコと遭遇、心停止したマルコの救護のためターン終了となってしまいます。天真は一回休み、心停止のマルコもスキップして箕輪のターンとなり、箕輪が天真のいるD3に辿り着きます。貘がゴールしていないのを悟った天真は勝ちを確信しますが…。

ここまでの流れで1つ疑問点があります。マルコがC5での戦闘後に1ポイント稼いだとありますが、新規の扉を開けないとポイントは得られないため、C5まで逆走してきたマルコはポイント獲得のためにF6まで移動する必要があります。瀕死の状態ではこの移動はキツそうですよね…D4にいたマルコはポイントを持っていたのでしょうか?

あと、貘の天真戦での勝利、最後の箕輪戦での1ポイント差(舐めプ)勝利はモニター室を盗聴していたから出来た芸当でしたね。盗聴できたのは貘がF3に辿り着いて以降(多分盗聴器もF3に隠しておいた)ですが、流石に有利すぎますね。

警視正南方が理系である可能性

最後に南方が仕掛けたトラップについて解説します。この勝負の舞台である実物大ラビリンスは気密性の高い構造を持ち、複数の部屋を排水パイプを用いて同時排水可能な造りになっています。南方はC3をポンプにより水没させてから排水する際、C3とC2を連結するパイプのバルブを開放することによりC2を減圧させ酸素量を著しく低下させました。

なぜ水の流れにより気圧が変わってしまうのでしょうか?ベルヌーイの定理より、流体速度が大きいほど圧力が低下します。また、連続の式より流れの断面積が小さいほど流速が大きくなります。図のように二つの排水ポンプの連結パイプはポンプの絞り部分に連結されており、その部分は圧力が低くなっていると考えられます。これより、圧力の低いC3の排水ポンプの方へC2の空気が引き込まれてしまうのです。

このように水の流れで気圧を変化させることをベンチュリ効果といいます。ベンチュリ効果により即席かつ効果絶大のトラップを仕掛けた南方を、当サイト理系の星一同は応援しております。次回は嘘喰い帝国タワー勝負編「業の櫓・血の教誨師ドティ」を解説します。

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